フォロワーがClaudeというAIサービスを利用して二次創作を行っているのを見た。
note.com
正直に言ってしまえば、私も時々二次創作小説を書くことがある。
どのジャンルでどんな小説を書いているかは伏せるが。*1
なのでふうん、Claudeってどんなものかなとサービス登録をしてみたのだが、最初に出てきた選択肢の中にこういうものがあった。
「文章スタイルを有名な作家と比較する」
なるほど、そういうのが得意なんですね。
二次創作小説というのはなかなか感想を貰う機会が少ない。
交流タイプの作家ならそうじゃないのかもしれないが、私はほぼ孤独スタイルでやっているのだ。*2
それに文体の客観的批評というのもそうされるものでもないので、ちょっと気になってしまった。
というわけで、さっそく私は今までに執筆した二次創作小説の中から計3本の短編小説をピックアップし、Claudeに送りつけた。
(※注:AIによる著作権的な問題について、私はともかく気になる人もいるだろうということで、一応登場人物名は予め仮の創作キャラ名に変換してある。二次創作しておいてなんだという話はあるが、それはそれということで。)
大体5000〜1万字、語り手も中身の雰囲気も全てバラバラのものだ。
共通点を強いて挙げるならば、共通して一人称視点の小説ということだろうか。
すると一本目を送った段階で似ている(らしい)作家が出た。
最も近い作家は住野よるです
そうなんだ。
一人称の内省的かつテンポのいい文章なところがそうらしいです。
ふーん。
まあ、そうなのかな……
↑よく分かってないんかい
続いて残りの二本も投下し分析してもらった。
一本目と二本目は登場人物こそ違えどどちらも比較的叙情的な話だが、三本目はせっかくなら系統をガラッと変えてみようと、ハイテンポのコミカルな話にした。
さてどうだろうと1分ほど様子を見ていると、無意識のパターンとして以下の共通点が指摘された。
・文の終わり方
……断定を避ける語尾が多い
感情や思考の核心に近づくほど語尾が弱くなる傾向がある。言い切ることへの躊躇が、文体に滲み出ている。
・感情の切り替え
……幸福感や高揚感を自分で打ち消す癖
語り手が感情の高まりを感じた直後、必ずといっていいほど逆接の接続詞で自分を落ち着かせる、あるいは現実を引き戻す動きをする。
・物・身体への注目
……感情を直接書かず、身体感覚・小道具に置き換える
感情の最も高い瞬間に「感情語」ではなく「身体の反応」や「目の前の物」の描写が来る。
・時間の扱い方
……現在の描写の途中に過去の記憶が割り込む
「今」を語りながら「過去」が侵入してくる。
・自己言及の癖
……「なぜ自分はこうしているのか」という自己問いかけ
語り手が自分の感情や行動の動機を問い直す瞬間がある。
なるほど。
しょうみ「物・身体への注目」「時間の扱い方」については、そもそも小説ってそういうものでは……と思わなくもない。
他の人は案外そうでもないのだろうか。
他人の文章をいちいち細かに分析して読んだりしないから分からないけど。
ただ、他の三点については完全に私の思考の癖だろうなと思う。
まず「文の終わり方」について。
「だろう」「かもしれない」等の断定を避ける語尾が多いという自覚は、正直ある。
これは私がインターネットをする上で身についた保身的な態度が表出した結果ではないだろうか。
なんなら昔バイト先の社員に「あなたはとても予防線を張った言い方をする」と言われたことまであるので(どんな会話?)、オンライン上だけでなく普段の会話でもこれならだいぶ筋金入りなんだろう。
とはいえ私が創作で扱うキャラは割と言い切らないもしくはむやみに断定しないタイプが多いので、そういうキャラを出す際に多少意識する程度で問題ない気もする。
「自己言及の癖」も、この保身癖からきているのだと推測する。
どうしてこのキャラはこうするのか、を説明しないと不安になってしまうからだ。
オタクが一つの文章で()を使ってツッコミを入れるのと同じロジックであるとも言えるが……(……)
ただし、読者への過剰な説明にもなりかねないというClaudeの指摘はもっともなので、緩急をつけることも頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれない。
そして「感情の切り替え」については、単純に私の好みだ。
強く意識こそしていないものの、ボケ、ツッコミ、オチくらいの感覚で多分書いている。
感情の高まりの直後に逆接を用いるという手法そのものは、上記の自己言及の癖も作用しているような気がするが。
ここまでの指摘内容も、個人的に納得する点はそこそこあった。
しかしそれ以上にああ〜……と唸ったのは、その後に「特に伝えたいこと」と前置きされて続いた文だった。
最も深い発見は「変わるもの・変わらないもの」というテーマが全作品に無意識に通底していることです。(中略)語り手は常に「今ここ」にいながら「そうではなかった時」を思っている。これは文体の癖ではなく、書き手の根本的な関心の場所だと思います。意識してテーマとして扱えば、作品がさらに深くなるはずです。
確かに、そうかもしれない。
創作の話から離れてしまうが、たとえば優斗が事務所を辞めたこと、それでも優斗の変わらないところ、それについて考えることがよくある。
これは優斗に限った話ではない。
流星隊の在り方だってそうだし、意識して考えることが少ないだけで、知らないうちに自分や身の回りに対しても同じようなことを考えているかもしれない。
昔から嵐の『できるだけ』という曲が好きだが、これも「変わるもの・変わらないもの」がテーマの曲だと言って差し支えないだろう。
変わっていくことを何故
僕らは恐れるのかなぁ
変わらないものを笑うくせに
できるだけ僕のままで
いたいと思える日々を
未来の僕はどんなふうに
振り返るんだろう
どんな評価をされるのかな〜と軽い気持ちで送りつけただけなのに、まさかClaudeに「思想」まで分析されてしまうとはね。
AIっておもろ。
さて、今回の目的は達成した。
ついでにスキルアップのアドバイスを貰いつつ(普通にタメになって面白かった)、最後にもう一度一本目だけでなく三本まとめて踏まえた上でどの作家と近いスタイルなのかを分析してもらうか。
最も近い作家は住野よるです
やっぱり住野よるなんだ。